2017年03月22日

東京はサクラ、那覇はイッペー

イッペー バナナ シロツメクサ 005.jpg

 東京でサクラの開花が伝えられるこの時期、那覇市内ではイッペーが大ぶりな黄色い花を咲かせた。あたりがぱっと照らされる、明るい花である。首里ではピンク色のイッペーも見られる。公園の芝生のあちこちにシロツメクサが湧きあがるように白い小さな花をつける。デイゴの燃え上がる赤々とした花も開き始める。沖縄はようやく花の季節を迎えている。
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2017年03月20日

「火花」に感じた太宰の影

火花.jpg

久しぶりに若手作家の小説を読んだ。お笑い芸人として初めて芥川賞をとったと話題になった又吉直樹氏の『火花』である。まず思い出したのは、高校生生活で、悶々として暗く閉ざされた気分の中、やり場のないエネルギーが内側から湧き起こる日々、愛読していた太宰治だった。

あの頃はやたら劣等感が強く、うまく立ち回れない自分に悩む。しかし、その劣等感を隠すことのなくあけっぴろげにみせる太宰の作品は、時に自堕落で破滅的であり前向きの言葉はないにもかかわらず、何か救いを感じることができた。今の自分を苦しめているものが何かが分かり、自分以上に苦しむ人間がいたと知るだけでも、ほっとする。こうした太宰作品の底流と同じものを又吉氏の作品にも感じた。

気になったのは今の若い世代の間でも、同様の共感が『火花』についてあるのかどうかである。200万部以上売れたといわれるが、買ったのは主にどの世代だったのだろうか。先日、NHKで小説二作目と格闘する又吉氏を追ったドキュメントが放映されていたが、その中で、『火花』について若い世代から「分かりにくい」という反応があったことを又吉氏が気にしていたことを伝えていた。

太宰を好んだ者にとって非常に分かりやすい内容である。小説としても難しい表現は使われているとは思えない。それを「分かりにくい」と評するのは、内容が難しいというよりは、登場人物の行動や感じ方、考え方が分かりにくいという意味ではないかという気がする。ただ、番組の中では「分かりにくい」とだけ表現されていたので、正確な意味は分からない。今の若い世代が『火花』をどう受け止めたのか興味のわくところである。
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2017年03月13日

雰囲気重視の就活

那覇の桜 003.jpg

 仕事の関係で、企業合同説明会に参加する学生に話を聞く機会があった。何を基準に就職先を選ぶかと尋ねると、みな「職場の雰囲気」「働きやすさ」と答えていた。社会人になったら「尊敬される人」「みんなで成長できる人」「他人の気持ちに寄り添える人」になりたいと語っていた。30年前、自分が就職活動をしていた時には思い浮かばなかった言葉であり、周りの友人らからも耳にしなかった言葉である。

 30年前、日本はバブル景気に沸いていたといわれるが、あまり実感はなく恩恵を被った意識も持っていなかった。しかし、就職活動はかなり楽観的でいられたかもしれない。すぐに就職しなくてもなんとかなる。自分の能力を生かせる場を探すべきであり、自分を安売りしてはいけない。仕事に就けば、その世界ではひとかどの人物となる。職場の人間関係なんて気にもしていなかった。自分の能力と努力によって、ブルドーザーで余分なものをなぎ倒すように進んでいくのみ。

 ところが、今の時代は、どんどん会社が成長するとか、自分の可能性が広がっていくとか楽観的になれない。それほど豊かといえなくても、良好な人間関係の中で心地よく仕事ができることを大切にする。あまり遠くを眺めず、日々の暮らしや足元をしっかり見ているのだろう。生まれた時から、生活に必要なものは大抵満たされる一方、5、10年先に日本の社会や経済、企業がどうなっているか見通せない上、「人口縮小社会」の暗い未来予想図が繰り返しメディアで流されていることを考えれば、「職場の雰囲気」「働きやすさ」重視に傾くのも当然かもしれない。
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