2018年11月24日

ネコブームと大阪万博

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 昨日(11月23日)、首里の路地裏を歩いていたら、2匹のネコと出会った。体の模様が似ていて、互いの距離が非常に近いところから親子やきょうだいなのかもしれない。こちらへの警戒心をもちながらも、ゆったりと2匹のペースで過ごす。典型的な飼いネコではないが、人間とはつかず離れずの関係を保つ。近年はネコブームといわれるが、身の丈に合った成熟社会に向かおうとする空気が投影されているのかもしれない。

 もちろん、誰しもネコが好きなわけではなく、ネコに自分の理想像を重ね合わせるわけではない。分かっていたつもりだが、いまだにでっかい打ち上げ花火をあげて、大量の資金を投入して大型イベントを開きたがる人がいまだに結構、日本にいることを改めて思い知った。今朝(11月24日)の、2025年の大阪万博決定のニュースである。

 報道によれば、建設費は1250億円であり、国、大阪府・市、経済界が3等分で負担する。2800万人の入場者を見込み、人件費など事業運営費820億円のうち9割を入場料収入で賄う計画。万博開催による経済効果は1.9兆円と試算しているという。2020年の東京五輪の例で分かるように、たいてい大型事業の経費は膨らんでしまう。入場者数だってどれだけの根拠があるのだろう。1970年の大阪万博のように、経済が上り調子でありながら大型イベントが少ない時代ならともかく、低成長期に入る一方、さまざまなイベントが各地で繰り広げる現代日本において、万博がどれだけ人を引きつけるか疑問符がつく。

 こうした空気は世界的だろう。今回の2025年万博に立候補したのも、日本以外では、ウクライナ問題などで国際的に複雑な立場にあるロシアと、オイルマネーが豊富なアゼルバイジャンだけ。どこかキナ臭さを感じる。フランス・パリも立候補したが、途中で辞退した。

 2025年の大阪万博は決まったから、やるしかないのだろうが、大幅の赤字を出し負の遺産にならないことを期待したい。その意味ではマスコミをはじめ良識ある人々の監視が大きな役割を果たすだろう。ただ、最近のマスコミは、新幹線の開通報道に象徴されるように、イベント主催者と一緒にはしゃいで、本当に後世の負担にならないか事後検証があまり見られないのが気になる。
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2018年11月18日

沖縄戦後史が語るもの

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「強固な日米同盟」。安倍首相がことあるごとに繰り返す。メディアも特に論評を加えずに伝え、国民の間にも一応納得するような空気が流れる。しかし、沖縄から見れば、大いなる疑問が浮かぶ。それはイデオロギーや専門的な理論から導き出されたものではない。27年間の直接統治を含め、戦後米軍と間近に向き合ってきた歴史が物語るのである。米軍はあくまでも組織の論理と国益に基づき動くのであって、駐留する住民を守るためではない。場合によっては住民に銃剣を向けることさえ厭わない。

 こうした軍をめぐる歴史は、太平洋戦争中の旧日本軍を含め、たびたび沖縄から発信されてきた。にもかかわらず、というか、むしろ本土における反応が薄くなっている。一番の典型は沖縄県知事選だろう。ここ2回続けて、辺野古新基地に反対する候補が、政府自民党が推す候補を大差で破っているにもかかわらず、本土側の具体的な行動につながらない。辺野古新基地への反対も、米軍施設への拒否反応、つまり沖縄の「わがまま」に矮小化されがちである。

 沖縄の「わがまま」論が繰り広げられる時は、たいてい沖縄の歴史に関する議論がすっぽり抜け落ちている。もともと知らないのか、知っていてあえて無視するのか分からないが、沖縄の歴史に触れることはほとんどない。米国で広がりつつあるトランプ流の思考方式が日本でも根を張りつつあるという気もする。自分にとって関心のない意見や心地よくない指摘は、どれだけ事実を並べても無視するか、「嘘の情報だ」と切って捨ててしまう。互いに溝が深まるだけで、接点を見つけることが難しくなるばかりである。

 写真は今年8月、沖縄市で移転新装オープンした沖縄戦後文化資料展示館ヒストリート。戦後史の中で米軍に比重が大きい沖縄ならではの施設だろう。

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2018年11月11日

溝が深まる日韓関係

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 アメリカ・ロサンゼルスに住む友人から韓国系アメリカ人について憤りの言葉を聞いたことがある。第二次世界大戦中、旧日本軍が韓国人女性を慰安婦に駆り立てたとする慰安婦像の建設を韓国系住民らが計画し、仕事中にも慰安婦問題を持ち出し面と向かって日本人を非難するという。友人はもともと韓国人を嫌うタイプでなく、むしろリベラルな考えを持っていただけに彼の発言にはショックを受けた。

 筆者は10年余り前までロサンゼルス近郊に住んでいたが、日系と韓国系の関係はずいぶん変わったと思う。ロサンゼルスの韓国系コミュニティーを取材した時も、日本の植民地時代ついて触れることはもちろん、日本人であるがゆえに不快な思いをした経験はなかった。この変化は、日本国内でも明らかだろう。ほんの10年ほど前までは、韓流アイドルや韓流ドラマを散々もてはやしていたが、韓国に敵意を抱く発言がメディアを飛び交い、「徴用工問題」をめぐる韓国の最高裁判決では非難一色である。

 日韓関係だけでなく世界全体の傾向だろう。意見が一致しない相手と注意深く合意点を探るのではなく、敵とみなして「うそつき」「でたらめ」呼ばわりする。トランプ流の「言ったもの勝ち」スタイルであるが、トランプ大統領は裏に注意深い利益計算が働いている。自分の不利益になる相手ならば、さんざんこきおろすが、利益になると考えれば、手のひらを返したように褒めたたえる。北朝鮮がよい例だろう。しかし、トランプ流に煽られた人々は、「敵」とみなした相手をひたすら憎む。「敵」に少しでも有利になる情報をメディアが伝えても、フェイク・ニュースと頭から否定する。そんなおそれがあるだけに、トランプ流の蔓延は非常に危険である。
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