2023年03月26日
市場界隈の全体構想を誰が描くか
新装オープンから1週間を経過した3月26日、那覇市の牧志公設市場を再びのぞいてみた。やはり、オープン当日と比べると、だいぶ客の数は少ない。これは仕方ないだろうが、気になったのが閉まっている店舗が市場内や周辺でぽつりぽつりと目についた。もともと市場界隈は、日曜日に休みの店舗が多く、新装オープンになっても従来の習慣を踏襲しているのだろう。
ただ、以前は地元客を相手にしていたのに対して、観光客が多くなっている現状では、最も賑わう日曜日に営業しないスタイルはどうなのか。昼食時には、込み合って客が順番待ちをする店舗がある一方、その横で消灯してがらんとした店舗もある。また、公設市場周辺は伝統的な食料品店や食堂が姿を消し、居酒屋が増えるなど、あたりを歩く家族連れや若い男女のグループなど客層と店舗の形態にズレを感じる。
今後は市場界隈で建物の老朽化がさらに進み、公設市場以外でも建て替え問題が迫ってくるはず。レトロで猥雑な雰囲気が観光客を惹きつけるだけに、単に新しく建て替えるだけでは、この地域の魅力が半減しかねない。建物を新しくするだけでなく地域の魅力が増すように、公設市場界隈で定休日や店舗の種類や形態のバランスなどを調整する全体構想は必要ではないだろうか。
2023年03月19日
真新しくなった牧志公設市場だが
今日(3月19日)、立て替えられた那覇市の牧志公設市場がオープンとなった。訪れたのはちょうどお昼どきのせいもあり、鮮魚や精肉を売る1階も、食堂が並ぶ2階もだいぶ賑わっていた。三階建ての中央部分が吹き抜けになり、エスカレーターが設けられているなど基本構造は、立て替え前と同じ。下りと上りの2本のエスカレーターが設けられ、3階に自由に入れる(今のところ、特に店舗施設はない)など若干変わったところがあり、そのせいか、売り場面積が少し小さくなったように感じた。新装オープンの滑り出しとしては順調といえよう。ただ、建て替えによって昭和レトロな雰囲気がなくなる一方、新しい魅力が加わったわけでもない。今後も、この賑わいが続くかどうか。沖縄らしい開放感があふれる市場の雰囲気づくりを期待したい。
2023年03月11日
デイゴの開花と原発政策の転換
今日(3月11日)、那覇市の新都心公園を散歩していると、デイゴが1カ所だけだが花をつけているのを見つけた。最近は最高気温がコンスタントに20℃を超えるようになり、めっきり春めいたおかげだろう。沖縄ではじきに初夏のような季節に入るはずだ。
東日本大震災から今日で12年目ということで、新聞やテレビは震災関連の記事や番組を扱っている。あれから12年もたったのかという感慨がこみ上げる。テレビ画面から流れる震災の圧倒的な映像、その後、福島第1原発の原子炉が暴走する危機が続いた。ぼうっとしながら新都心公園付近を歩いたり、心配する外国の友人からたびたび電話がかかって来たりしていて、日本は変わらざるを得ないと確信したことを今も鮮明に覚えている。
おそらく一定以上の年齢の人は共有している体験のはずである。ところが、ここ1年足らずのうちに、こうした体験を消し去るような動きが政府で起きている。原発の運転期限を延長し、さらには新たな原発建設を進めようとする動きだ。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰する今ならば、「原発やむなし」の世論を醸成できると踏んだのだろう。実際、今のところ、政界はもちろんメディアも世論からも大きな反発は見られない。結局、この12年間、日本は変わることができなかったのかもしれない。震災関連の番組も、エネルギー価格高騰が続くのを気にしてか、テーマは防災にとどまり原発政策の転換に異を唱える声はあまり聞こえない。