2023年07月23日

沖縄から見える少子化と大国思想

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 最近、人口でインドが中国を抜いて世界一になったというニュースがよく話題になる。人口は経済力をはじめ国力や国際的な地位に深く結びつくからであり、日本はその人口が減り続けているという危機感が背景にあるのだろう。国全体としては人口の増加は利益だろうが、国民一人ひとりにとってはどうだろうか。たくさんいて、さらにどんどん増えるから、安くこき使ってもかまわない、戦場に送り出しいて死んでもかまわない。国によって違うが、「大国」の命運を握る指導者層は、そんな考えに流れがちのように思えてならない。

 日本で少子化に危機感を抱く政治家たちも、安い労働力を大量に酷使し、税金を思うように浪費した時代への郷愁が潜む気がしてならない(現在も場面によっては継続してるだろうが)。少子化の原因はさまざまだろうが、人間が大切にされていない社会構造が小さくないはずだ。労働者の賃上げや待遇改善が唱えられ始めたのも、人手不足や少子高齢化が顕著になり出してからだ。人間を「浪費」する大国から、一人ひとりを大切にする小国への道を歩まざるを得ない。豪華さや壮大さはないけれど高い精神性が込められた文化や、大国に翻弄されながら独自の外交政策を育んだ琉球に、今後の日本が学ぶべきことは多いのではないだろうか。
posted by テツロー at 15:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする