2023年08月26日
首相の沖縄訪問と処理水の放出
今日(8月26日)午前中、那覇市のホテル「ザ・ナハテラス」周辺に男たちが並び、ヘリコプターが上空でホバリングをして監視する格好だ。誰か要人が滞在しているのかと思って、自宅に戻ってネットでチェックすると岸田首相が宿泊していたことが分かった。やっぱりと思った。表向きの目的は復興中の首里城視察らしい。
この手の文化事業に反対する人はいないだろう。東京電力福島第一原発における処理水の海洋放出が国内外で反響を呼んでいるだけに、処理水と同じように「文化事業」によって批判を薄めようとしたのではないかと勘繰りたくなる。海洋放出に限ったことではない。敵地攻撃能力や防衛費増強など関係者はもちろん国民への説明が十分とは思えず、いつも唐突感がつきまとう。中国が日本の水産物を全面停止するなど余波はしばらく続くだろうから、ちょっとやそっとでは影響が消えることはあるまい。
来週の28日は旧盆の入りにあたる「ウンケー」。この日は、お盆に備えるためだろう、「ザ・ナハテラス」に近い地元スーパーは午前中の比較的早い時間から混雑していた。旧盆は沖縄にとって今でも家族で集まる心穏やかな時期であるはずだが、台湾や半導体の問題に加え処理水の海洋放出もあって中国との緊張関係はいっそう強まりそうだ。台湾に近い沖縄にとって不安漂う日々は、当分終わりそうにない。
2023年08月20日
中国人観光客と公設市場
昨日(8月19日)夕方、牧志公設市場を訪れたが、市場の内部は週末の夕方としては人の流れが少ないような気がした。市場周辺の人の流れはコロナ禍以前に比べ大分戻ってきているだけに、本丸のはずの公設市場は少々淋しい気がした。中国人団体客が10日から解禁されたから、公設市場の賑わい回復に期待を持てそうだが、中国の景気低迷や旅行者の質の変化が影響しコロナ禍前の賑わいは戻らないのではないかという指摘もある。
中国一国に頼った観光政策はリスクが大きいのは確か。現在の公設市場は観光客の比重が高いだけに、観光客向けのサービスが重要になる。鮮魚コーナーで買った魚を2階の食堂で調理してもらえる制度「持ち上げ」が名物になっているが、この制度を豚肉などの精肉部門や市場外の店でも活用できたら観光客にとって魅力にならないだろうか。いずれにせよ、市場という開放的な空間を生かした新たな目玉づくりが必要になろう。
2023年08月12日
台風後に戻ったモノと戻らないモノ
台風6号が沖縄本島南部から去って1週間になるが、那覇市の国際通りを歩いた印象では、観光客の数はほとんど戻ったようだ。週末らしい賑わいを見せていた。しかし、公設市場周辺のアーケード街では、天井がところどころ破れていた。台風6号による被害だろう。半世紀以上が経過し、もともと老朽化が進んでいたから、それ自体は致し方ないだろう。
問題はどうやって修繕するか。台風が長期間、滞留していたから、商店街にとっては観光客が途絶え経営的に打撃を大きいから、アーケードの修繕費の負担は厳しいはずだ。しかも、遠くない将来、アーケード全体の全面改修という課題も出てくる。那覇市の観光業全体にかかわるから、行政が間に入って知恵を出す必要があろう。
また、一般庶民にとっては長期に食料が入らなかった影響が長引き、スーパーなどで食料品の品ぞろえが戻っていない。特に生鮮食料品はいまだに空の棚が目立つ。一時的に棚が埋まっても、商品の絶対数が少ないから、すぐに売り切れてしまう。那覇市の中心街のスーパーでもまだ、このような状況だから、さらなる離島となれば、食料品の入荷は一層厳しいはず。平常時の売り場に戻るにはあとどのくらいかかるか。