2024年03月30日
沖縄本島の渇水は今年だけか?
沖縄の地元テレビや新聞は連日のように、本島のダム貯水率が低いことを伝えている。3月29日時点で平年ならば75.4%のところが今年は42.4%しかない。このままでは近い将来、給水制限や断水しなければならない状態という。
確かに昨年まで本島では、冬場も結構雨が降り、ようやく4月になって晴れ間が多くなったと思ったら、5月は2週目くらいから梅雨に入るという流れだった。しかし、今年は冬場もたまに雨が降る程度。ニュースで知る限りは、むしろ本土の方が頻繁に降っているようだ。これは冬場に限らず、昨年は台風襲来も本島直撃が少なく、本土の方が目立っていた気がする。
自然現象だから年によって変動があるのは仕方ないだろうが、ここ数年を見ると、集中豪雨や台風など大雨をもたらす気候帯が全般的に北へ移動していないか。今後も沖縄の降雨が減る傾向が続かないか心配になる。もし、そうなれば住民の生活はもちろんのこと県経済の柱である観光業にも影響することは避けられないだろう。
2024年03月22日
怒り狂うゴジラと第32軍創設記念日
昨日(3月21日)、アカデミー賞を獲得して話題の「ゴジラ −1.0」を遅ればせながら見た。いくら攻撃しても甦り、絶望的な破壊を繰り返すゴジラは、戦争、特に核戦争の隠喩(メタファー)であることは明らかだ。今回のコジラは太平洋戦争の末期から終戦直後の時代が舞台。帰還兵のその後を現実的に描いただけでは注目を集めにくいから、ゴジラという破壊神を降臨させドラマに新しい血を与えたのだろう。
本土では年々、「戦争もの」の影は薄くなっているが、中国やロシア、北朝鮮をめぐっては国際的な緊張は高まるばかりで、戦争のきな臭さは増している。ネットメディアが活発な今の時代、「日本をどう守るか」は議論に留まらず、扱い方によっては「好戦的」「弱腰」「非国民」「中国寄り」など非難や中傷を呼びやすい。特に本土メディアは戦争と真正面から向き合うことを避けていないだろうか。従来の「戦争もの」を繰り返すだけでなく、新しい視点から戦争を考える材料が必要であることは疑いない。
沖縄の地元紙では今日(3月22日)から沖縄戦にまつわる連載記事が始まった。ちょうど80年前の1944年3月22日、旧日本軍は南西諸島を防衛するため、沖縄戦の主力となる第32軍を創設し、その1年後の1945年3月26日には米軍が座間味の島々に上陸して沖縄戦の火蓋が切られ、4月1日には本島に上陸し戦闘が本格化するなど、沖縄にとってはこれから節目の日が続く。さらに、近年は南西諸島における自衛隊配備が進むなど第32軍の創設・強化と重なる部分は小さくない。
2024年03月17日
福井を旅して考える沖縄観光
3月14日まで友人と福井を旅行してきた。写真は三方五湖を望む山頂から撮影した。昨日(3月16日)、北陸新幹線・金沢‐敦賀間の延伸開業が盛んにニュースとして流れているが、延伸開業とは関係なく友人に誘われカニやフグを楽しみに行ってきた。福井県の両隣である石川県と京都府はこれまで足を踏み入れることはあったが、福井だけはまったく経験がなかった。たまたまかもしれないが、「行ってみたい」と思えるものがなかったのも事実だ。
今回、実際に旅をして感じるのは、福井には観光客を引きつける資源に恵まれていることだ。カニやフグなどの新鮮な魚介類に加え、変化に富んだ海岸沿いの景観は魅力にあふれる。東尋坊に代表される越前海岸は険しい崖が切り立ち波も荒々しい。一方、若桜町の三方五湖周辺は湖と海岸が複雑に入り組み変化に富む。中でも常神半島周辺は海のすぐそばまで山が迫り、対岸にも山が連なる風景は神の存在を感じるほど雄大である。こうした特徴はなかなか短くシンプルな言葉で伝えにくいために、県外広まりにくかったのかもしれない。沖縄でいえば、山が中心の「やんばる」(沖縄本島北部)について語りにくいのに似ているかもしれない。しかし、福井県内では延伸を絶好の機会と捉え観光地の整備に力を入れていることが伝わり、実際各種メディアもこれを取り上げている。観光地の間で競争が激しくなることが予想されるだけに、沖縄も従来の「人気観光地」という呼び名に胡坐をかいてばかりいられまい。新しい魅力の開拓が必要になろう。