2024年04月13日
強化される自衛隊と沖縄の関係
うるま市内に陸上自衛隊訓練場を新設する計画を断念することが4月11日、防衛省から正式に発表されたが、保守系も含めた地元の強力な反対に遭って計画を撤回した格好だ。
沖縄からすれば、米軍基地の負担軽減も進まないまま、「中国脅威論」をたてに県内の自衛隊が強化される。それも地元住民に十分な説明のないままに、長距離ミサイルの配備なども決められる。たとえ自衛隊の受け入れそのものは容認しても、住民とすれば今後の生活にどの程度影響が出るのか不安を感じざるを得ない。中国、日本、米国の間で経済的な相互依存関係が深まる中で、抑止論ばかりを振り回し国際的な緊張を高めるだけでいいのか議論の深まりは見えない。
今回の訓練場計画にしても、ろくに地元に説明がないまま土地取得の予算化が進められた。「沖縄では強引に進めてもどうにかなる」という考えが政府部内にあるのではないかという疑念を持ちたくなる。権力を持った側の傲慢さが見え隠れする。訓練場の代替地は本島内で探すことが明らかになっているが、今回の防衛省の対応はすでにメディアを通じて広く知られている。県内のどこに代替地を求めても防衛省への不信感はさらに増すことが予想されよう。そうしたことは政府部内でどの程度認識されているのだろうか。