2024年07月12日
日本が鉄砲玉役となる危険性
自衛隊配備が強化され、本土では中国に対する敵対論が高まる。そんな光景を沖縄で眺めていると一つの絵が頭に時々浮かぶ。日本史の教科書に掲載された絵である。日露戦争に関連する資料であり、米英にけしかけられ日本の軍人らしき人物がロシアに向かうという構図である。見た記憶がある人は結構いるだろう。
現在でも米国などに背中を押され、中国やロシアに対して「強い姿勢」を取っているが、こうした状況が続くと、どのような結果になるか日本政府は予測しているのだろうか。日露戦争のような昔の記録を持ち出さなくても、今も続くロシアとウクライナの戦争を見れば明らかである。散々ウクライナをけしかけながらも、いざ戦闘が始まれば武器は支援するものの直接的な参加は避けている。
一国だけで平和を守れないことは事実だろうが、どの国も自国民に被害が出ることは可能な限り避けたい。日本政府はあまり先走って「勇ましい言葉」をまき散らしても、ウクライナの例のように戦闘となれば、「強固な同盟関係」にある米国といえども直接的な関与は避ける可能性が高いのではないか。岸田首相ら自民党の政治家は「抑止力」を多用するが、抑止になっているかどうかは相手側が判断するもの。西側諸国の中で強硬論を振りかざすうちに、気がついたら梯子をはずされていたということにならないように、冷静な判断を政府が進めることを望む。
2024年07月06日
情報は政府から沖縄へ与えるもの?
昨年12月に発生した、米空軍兵による少女誘拐暴行事件に続いて、今年5月、女性に性的暴行を加え怪我をさせたとして米海兵隊員が6月17日、那覇地検によって起訴されていたことが分かったが、いずれも明らかになったのは沖縄県議選(6月16日投開票)の後だった。政府は否定するものの、県議選への影響を考慮した「隠ぺい」と思いたくなる。
おまけに、沖縄の各方面からの強い批判を受けて、政府は米軍関係事件を例外なく地元自治体に伝達する方針を明らかにしたが、外務省側には沖縄県に対して情報を「伝えてあげる」という、上から下への恩恵的なニュアンスを感じずにはいられない。地元紙によれば、外務省側から次のような見解が示されたという。
「(プライバシー保護の観点から)情報の不適切な取り扱いが生じた場合は再発防止策を検討し、それが十分順守されなければ、伝達を取りやめざるを得ない」。情報の取り扱いが「適切」かどうか判断するのは、あくまでも政府側であり、まだ「不適切」な事案が発生していないにもかかわらず、「情報伝達を取りやめざるを得ない」と今から脅しをかけている。政府の上から目線ばかりが滲み出て、沖縄と共同して情報の取り扱い方を決めるという意識は見られない。(写真は2010年4月の米軍普天間基地の県内移設反対集会)
2024年07月03日
サガリバナと沖縄の夏
6月下旬に梅雨が明けて以来、じりじりと焼けるような真夏が続く。熱せられたフライパンの上を歩く東京の夏に近い。これまで沖縄では猛暑日になることはなく、気温が上がっても32度どまりだった。全国的に見ても沖縄の最高気温が一番低いことも珍しくなかった。ところが最近は34度近くまで上昇し35度を超える日が近いかもしれない。
那覇新都市公園を早朝、散歩していると、サガリバナが花をつけていた。薄いピンクの花は涼しげでほんのりと甘い香りを漂わせる。朝の爽やかな空気によく似合うと言いたいところだが、最低気温が30度近く朝から蒸し暑く爽やかとは言い難い。蜂たちがむらがっていた。花の寿命が短いといわれるせいか、ここぞとばかりにせっせと蜜を集めている。