2011年05月04日
沖縄地方の梅雨入り
沖縄地方が4月30日、梅雨入りした。5月の大型連休前である。この10年で最も早い梅雨入りだそうだ。
この連休はぐずついた天気が続くので、遠出はせず、自宅やその周辺をぶらぶらしていると、学校前の街路樹にくっついて花を咲かせているランを見つけた。紫色の大きな見事な花とは対照的に、それ以外の部分、茎なのか根なのか分からないが、いずれにせよ、ひからびた紐のようであり、ひどくアンバランスなのが印象的だった。花、茎、葉ともにバランスのとれた、花屋で売られるランとは違う姿である。
花に養分の大半をつぎ込み子孫を残すことにつなげるとか、種として生きるために最良の姿を追求した結果だろうか。もともと自然が持つ異様さ、無気味さみたいなものを感じる。ただ、こうした異様さ、無気味さは、むしろほっとした気分にさせてくれる。花屋で売られているような整った花ばかり見ていると、どこか現実感が薄れて不安になってしまう。現実って、こんなにバランスいいはずないだろうって。
ほぼ同じ時期に、2人の友人が、「タイマーズ」時代の忌野清志郎の映像がアップされているYOUTUBEのアドレスを送ってきてくれた(2人の友人どうしは知り合いでないはずなので、偶然が重なったと思う)。まだ若き清志郎が「FM東京」や「原発賛成音頭」を吠えるように歌っている。その歌声は、波風たてる発言がどんどん消滅し、予定調和のドラマばかり見せつけようとする現代の風潮の中では、心地よい「毒」をあたり一帯にまきちらすかのように響きわたる。もし清志郎が生きていたら、福島原発の事故を見て、どんな発言をしたか、どんな音楽を奏でてくれたか。それを想像すると、彼が今いないことは残念でならない。
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