2011年05月15日
基地問題と原発問題
アメリカ上院軍事委員会の委員長らが沖縄を訪問し、辺野古移設は不可能として嘉手納基地統合案を提言。これとは別に、辺野古に代わる移設先として国頭村安波地区を推す動き出るなど、沖縄県内では普天間基地移設をめぐり新たな動きが伝えられている。しかし、本土においてはほとんど反応がないようである。連日のように普天間問題が県外メディアで報道された1年前が遠い昔に思えてくる。
今、原発事故問題がこの国の最大の関心事になっているわけだが、原発問題と基地問題という2つの問題を並べて考えてみると、共通点が多いことに気づく。どちらも、エネルギー政策、安全保障政策という国家として避けて通れない問題ながら、非常に専門性の高い知識を求められるせいもあり、国民的な議論がないまま、一部の人々が決めた方針を長い期間追認してきた。発電所(特に原発)にしろ、基地にしろ、誰もが地元に来ることをいやがる迷惑施設ということもあって、大半の人がかかわりたくないことも、議論不在の原因となったのだろう。
「議論不在のツケ」で片付けるには、原発事故はあまりにも大きな痛手である。どの程度、放射能汚染が広がり、人や環境に影響を与えているのか見当もつかない。これからできることといえば、いったん決めたら方向転換できず暴走を続けるしかなかった国の方針を、この国のあり方を、今回の震災・原発事故をきっかけに根本から見直す好機にすることだろう。
この記事へのコメント
コメントを書く