2019年01月28日

首里城の大奥で自由と権力を考える

首里城の龍 内装 周辺 046.jpg

 首里城公園で1月28日から、御内原と呼ばれたエリアが復元され新たにオープンする。琉球王国時代、王族の私的空間であり、王族以外は男子禁制とされた区域。100人ほどの女官が働き、江戸城の大奥に相当するともいわれる。

 きらびやかに着飾った女性ばかりが行き交う空間と聞けば、興味が湧くところだが、国王本人はうれしかったのだろうかと思う。大勢の女性の中にぽつりと男が一人いても落ち着かないはず。打ち解けておしゃべりもできない。相手が国王ならば、女性側も形にはまったような話しかできないだろう。しかも、王妃をはじめ周りの女性は国王の好みで選べるわけではない。出身家の格式や王家の決まりごとも深くかかわる中、決められる。

 国王に仕えた女性たちはどう感じていたのか。国民の大半が貧しい農民だった時代、国王の居城で働けることは生活が保障され、栄誉なことだったのだろう。しかし、しきたりや慣例にガチガチに縛られ、個人の意志や自由などほとんど顧みられない。もちろん自由に恋愛できない。国王の世継ぎづくりの場をつくり、国王を一般社会から切り離し神秘的な存在に押し上げるため、男子禁制という特殊な世界がつくられる。かかわる人々すべての自由を奪い、誰をも幸福にしない権力組織だろう。

 一方、いったん考えることを止めさえすれば、しきたりと慣例に従って動けばいいのだから楽だったという面もあったのかもしれない。今の時代でも、安定するために自由を差し出す光景がみられる。自分のことを自分で決められず、進んで他者の言いなりになることを選ぶことさえありうる。いずれにせよ、現代の私たちにも権力と自由について考える機会を与えてくれる場であろう。
 
posted by テツロー at 10:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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