2024年06月19日
沖縄に根づくイライラ交通の構造
本島内で移動しようとすれば、なかなかスムーズにいかない。これは沖縄経済の柱である観光業はもちろんのこと、住民にとっても朝夕の通勤・通学や物流の輸送にとって大きな問題を引き起こす。時間がかかり経済的な損失はもちろんのこと、県民にとって大きなストレスになる。普段でも朝夕は渋滞になりやすい沖縄の道路だが、ここ数日は激しい雨が降り、渋滞の車列は日頃の何倍にも及んでいる。
沖縄本島でも戦前は、主要部分に県営鉄道(軽便鉄道)と呼ばれる列車が走っていたが、沖縄戦で完全に破壊された。戦争終了後に沖縄を統治した米軍は、車社会の国の軍隊であり、もともと住民の足である公共交通の改善などほとんど考慮せず鉄道の復活もなかった。おまけに、島内各地を米軍が占領したため、道路の建設すら多くの制限が伴った。米軍の統治が終わり日本に復帰した後も、バス以外の公共交通は那覇市内の一部を走るモノレールくらい。しかも、急増する観光客も団体バス旅行よりも自由に回れるレンタカーを選ぶようになり、沖縄の道路は車が増える一方だ。渋滞もひどくなりこそすれ軽減される見通しはない。
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