2024年11月23日

鉄軌道のない沖縄で思うこと

DSCN7749.jpg

 沖縄は戦後、完全に車社会が続くにもかかわらず、那覇と名護を結ぶ鉄軌道計画がいまだに検討されている。すでに那覇市内にはモノレールが走るにもかかわらず、これとは別に次世代型路面電車を導入する計画が昨年発表されている。費用対効果という面では鉄道は必ずしも優位とは言えないはず。交通渋滞の緩和や社会的な弱者の移動手段確保などの理由は挙げられるだろうが、鉄道にこだわる人が少なくないのはその魔力的な魅力ではないか。熱狂的な鉄道マニアを引き合いに出さずとも、男性ならば子供の頃、鉄道模型に憧れた人は結構いるはずだ。

 千葉県の銚子電鉄に乗る機会があった。切符は機械ではなく若い車掌が車内で販売する。新しい乗客が乗るたびに駆け寄って販売するから、いつも忙しく車内を行き来する。会社が意図か分からないが、何事にも機械やネットを通した売買が全盛の時代、対面の直接販売は珍しくほっとした気分にさせる。

 車内は混雑というほどではないが、二両編成の席は大方埋まっていた。定期券を車掌に見せる小学生もいたが、観光客らしき人々が目立つ。途中の風景は緑のトンネルなど変化に富み、ゆっくり走っているせいか全長6.4キロという鉄道の短さは感じなかった。もっとも、メディアでは「ぬれ煎餅」の販売など涙ぐましいほどの経営努力が伝えられているように、収入の8割は鉄道以外の副業が占めるそうだ。

 各家庭に自家用車が行き渡っている上、人口減少社会が進む日本において地方鉄道はなかなか厳しい。なんとしても鉄道を存続させたい。そういう思いがなければ経営は難しいのだろう。那覇市のようにこれから建設するとなると、あらゆる面でコストの上昇は予想され一段と困難の度合いは高いに違いない。
posted by テツロー at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック