2020年10月17日

沖縄の1兆円事業は見直さない?

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 自民党は10月14日、プロジェクトチームを立ち上げ、毎年10億円の税金が投じられている日本学術会議のあり方を検討するというニュースが流れていた。また、迎撃ミサイルを発射した後のブースター部分を確実に演習場内に落とせないなどの問題を理由に、イージスアショアの配備計画を断念することを今年6月、防衛省は発表している。イージスアショアの予算は当初に比べて倍近くに増加し4000億円以上に上るとみられた。

 確かに、多額の税金が投入される事業は、時間の経過とともに新たな問題が明らかになることや本来の趣旨とは違ってくることが考えられるので、絶えず見直しが必要だろう。しかし、米軍普天間基地の移設に伴い、沖縄・辺野古に新基地を建設する事業についてはまったく見直そうとする動きが見られない。

 予定地には軟弱地盤が見つかり基地を建設できるかどうか疑問視する専門家の声が出ている。予算は膨れあがって1兆円を超えるという見通しが出ている。一方、軍事戦略上の必要性は減っていて、兵器や兵力の高速輸送が可能になり前線に基地を展開する必要性が減る一方、ミサイル技術が発達し、中国に近い位置に大量の戦力を配置すれば標的になりやすい。今も日本にとっては米軍は絶対の権力者であり、そのややこしい米軍からみの事業はなるべく沖縄にという、終戦後間もない頃からの構図がいまも続いているようだ。
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2020年10月10日

首里城の展示と政治的中立

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 正殿などが焼失した首里城火災から10月末で1年になるが、沖縄タイムスの連載記事「首里城再建を考える」が興味深い。例えば、10月7日付の第5回で紹介された沖縄神社。新たに日本の領土に編入された沖縄を、宗教の面でも天皇を中心とした祭祀体系に組み入れようと1925年に首里城内に建設された。沖縄戦で沖縄神社は破壊されたものの、戦後、首里城に近い御嶽「弁が岳」で再興されている。また、19世紀半ば、琉球国がアメリカ、フランス、オランダと締結した修好条約の正本を展示せよと、沖縄近現代史家の伊佐眞一氏が訴えた第3回は、まったくその通りと思った。

 振り返ってみれば、焼失前の首里城で展示されていたのは、日本やアメリカによる侵略や占領にほとんど触れず、あたりさわりのない歴史ばかり。しかし、19世紀半ばの江戸時代末期以降、琉球国には欧米列強が立ち寄り独立国家として対応するが、1879年には武力によって併合、日本への同化が進められ、1945年の沖縄戦以降は、米軍による占領が行われる。

 こうした大動乱の100年余りで首里城が主要な舞台になっていたことは、明らかな歴史的事実である。沖縄戦の最中には日本軍の司令部が首里城の地下に設けられ、戦後は首里城跡に米軍が琉球大学を開設する。「政治的中立」などをタテに政府や保守派から異論が出そうだが、こうした沖縄からの視点をもとに、再建首里城の展示が構成されることを期待したい。
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2020年10月03日

大統領の感染と辺野古新基地の行方

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 新たに誕生した菅政権のもとでも、米軍普天間基地の移転先について判で押したように「辺野古が唯一の解決策」を繰り返すばかり。なぜそうなのか具体的な説明は一切聞こえてこない。おそらくできないのだろう。沖縄県外に移そうとすれば、移転先では猛烈な反対運動が起きる。迷惑施設である基地は、本土から遠く離れた沖縄にまとめておいた方が日本国内はまるく収まる。こんなところだろう。

 それにしても、米国は本気で辺野古新基地を求めているのだろうか。有事の際、同盟国の日本を本気で守る気があるのか。10月3日付の地元紙によれば、米領グアムに新たな基地「キャンプ・ブラズ」が開設され、沖縄から海兵隊4000人を移転させるという。高速の交通手段が発達した時代、中国本土に近い場所に基地を構える必要が減る一方、ミサイル技術の発達によって中国から強力な打撃を受ける可能性が高まっている。つまり沖縄のような場所に多くの兵力を配置することはマイナス面が大きい。

 また、10月第2週から在日米軍駐留経費の負担をめぐる実務者交渉が始まり、トランプ政権から日本へ巨額の負担要求が出る見通しという。そもそも本気で守ろうと考えている同盟国に対して、こうも四六時中、負担の増額が話題に上がるだろうか。トランプ大統領本人も折に触れ、海外に米軍を駐留させておく必要性に疑問を投げかけている。たとえ日本が有事になったとしても、支援するかどうかは米国の利益で判断されることは目に見えている。まあ、多額の出費をかけ米国人の犠牲を払ってまで日本のために米軍を出動させるとは思えない。そんな米国相手に、1兆円以上もかけ辺野古新基地を建設してもどれほどの意味があるのか。

 10月2日、トランプ大統領が新型コロナに感染していることを明らかにした。何事もなく回復すれば「オレの言ったとおり、新型コロナなどたいしたことはない」と触れ回って、自説の正しさを自らの体で証明したことになり再選へのの大きな追い風にできる。重症化すれば「コロナを甘く見ていた報い」と見なされ再選への強い向かい風になろう。だが、11月の大統領選で誰が当選しても、在日米軍駐留経費の負担をめぐる交渉は日本にとって厳しいことは変わるまい。経済的な余力を失った米国は自国の利益になるかどうか、有力な対抗馬である中国はもちろん同盟国の日本に対しても、より神経質な態度をとらざるを得まい。

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