2019年04月07日

日本人と元号と沖縄

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 30年前、元号が平成に変わるときは、あまり元号を意識していなかったと思う。新聞記者をしていたせいもあり、「昭和の終わり」を取材するのに忙しく、次の元号が何になるのか、ほとんど関心はなかった。実際、平成になってからも、自粛ムードにまつわる出来事に世の中の関心は集まっていた。

 平成から令和への今回の改元はうって変わって、お祭りムード一色である。発表前は元号の歴史・回顧や新しい元号の予測が幅を利かせた。発表後は、TVコメンテイターたちは「すばらしい」と賛美し、令和の由来を解説する番組や記事が目白押し。『万葉集』の引用というが、一つの文章で離れたところにある漢字二文字をくっつけて令和という言葉をつくったらしい。これで由来と呼べるのか疑問に思った人はそれなりにいるのではないだろうか。

 いずれにせよ、元号の存在は日本人であることを意識させ盛り上がったことには違いない。平成の30年余りを振り返れば、日本人であることを強調し、中国や韓国を警戒することが多くなったことは間違いないだろう。たまたま、この時期に小熊英二著の『<日本人>の境界』を読んでいたこともあって、日本人とは何だろうかと改めて考えた。同著は、明治以降の近現代日本において、「日本」と「非日本」の間を揺れ動いてきた沖縄、アイヌ、台湾、朝鮮の歴史について分析している。

 その視点に立つと、日本人の境界は権力者の時の都合に応じて動かされ、庶民側も日本人の境界の内側に入ることを望むと、「非日本人」を排除し差別する力が働きがちになることが浮き彫りになる。日本は中国、韓国、ロシアなど周辺諸国との関係が複雑化する一方、積極的に外国人労働者を積極的に受け入れようとする今、日本人の境界をめぐる歴史に学ぶ姿勢が必要になろう。

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2019年03月30日

平成の終わりを迎える沖縄の空

那覇上空の戦闘機 002.jpg

 4月1日に新しい元号が発表になると、大手メディアはざわめきたっている。あと何時間何分で発表になる、とカウントダウンをする番組もあるほどの、はっしゃぎっぷり。確かに元号は、日本で長年使われ続けた伝統文化と主張する人もいる。しかし、権力者が勝手に決めて国民一般に広めたものであり、決定には庶民はまったく関係してこなかった。なぜ、そんなものを早く知りたがり、今か今かと待つのか。

 沖縄では戦闘機が人口密集地域を頻繁に飛ぶ光景が相変わらず続き、おそらく元号が新しくなろうと変わるまい。むしろひどくなる兆候さえする。個人的に那覇市上空を戦闘機が飛ぶ頻度が増していると感じ、基地周辺で騒音がひどくなっているという声もあがる。2018年12月には、普天間基地周辺で観測史上最高となる123.7デシベルを記録した。

 だが、新聞報道によれば、在沖米軍のトップは「航空機が発する音は変わらないが、天候など環境により体感する音が大きくなる可能性があると思う」とコメントしたという。史上最高を記録した頃、外来機のF35Bステルス戦闘機の着陸があったことが分かっている。厳しい財政事情のもと米軍は予算を節約するため、日本の思いやり予算で運用される沖縄の基地へ、なるべく訓練の場を移そうとしているという専門家の指摘がある。いずれにせよ、人口密集地域の上を戦闘機が飛ぶ光景はまず米国でなく、沖縄では飛び放題である。


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2019年03月21日

平成最後のサクラと自己陶酔ムード

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 沖縄ではもともと、花見の習慣がなく、個人的にも友人や会社の同僚と花見をした経験もないせいか、サクラが咲いたから大騒ぎすることにピンとこない。サクラの花が美しいことには異論がなく、その美しさを愛でること自体、悪いものではない。ただ、大勢で飲み食いをして騒ぎ、毎年のことなのにニュースで大々的に取り上げることに違和感が湧く。

 多くの人が集まって時間と空間を共有することで、日常にはない高揚感を得たいのだろう。ここ20年余りは、サクラブームが年々高まり、テレビ各局とも連日、サクラ中継を繰り返し、サクラの名所は見物客でごった返す。この人気を誇るサクラが日本を象徴する花であることは偶然でないだろう。バブル経済崩壊後、日本人は胸の中にぽっかり空いた穴を埋めるものを求めているのかもしれない。

 3月21日、東京ではサクラの開花宣言が出された。ニュース映像でみると、気象庁職員が開花を確認する瞬間に立ち会おうと、判断基準となる靖国神社の標本木のまわりをテレビカメラや大勢の見物人が取り囲んでいた。もともと「はかなさ」「危うさ」が魅力のサクラに、今年は「平成最後の」枕言葉がつけられ、一層盛り上がるシーズンとなるのに違いない。(写真は沖縄のヒカンザクラ)
 
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